この記事の内容(9項目)
請求書を作る、入金を確認する、一覧表へ記録する。ひとりで仕事をしていると、毎回同じ手順なのに手作業のまま残っている仕事がいくつもあります。
私は以前、請求と入金を管理するGoogle Apps Script(GAS)を作りました。Googleスプレッドシートの中で完結する仕事には合っていました。ただ、サイト公開、アクセス解析、広告管理までを一つのコードへ詰め込むわけにはいきません。
そこで候補になるのが、複数のサービスを画面上でつなぐMakeです。2026年9月24日にFreeアカウントを作り、個人情報を含まない問い合わせデータをWebhookで受け、Routerで分ける最小シナリオを実際に動かしました。今回は、自分で作ったGAS、現在の自動化運用、Makeで確認できた範囲から、どこで乗り換えや併用を考えるかを整理します。
先に結論
Googleスプレッドシート、Gmail、Googleドライブの中で処理が終わり、コードを保守できるなら、GASから始めるほうが小さく作れます。
一方、Google以外のサービスを複数つなぐ、処理の流れを画面で確認したい、エラーになった場所を担当者と共有したい場合は、Makeを比較する意味があります。
私なら、最初から全部をMakeへ移しません。次の五つで、GASのままにする処理と、Makeを試す処理を分けます。
- つなぐサービスの数
- 分岐とデータ変換の複雑さ
- 実行回数とcredits
- エラー時に誰が直すか
- 認証情報と人の確認をどこへ残すか
Makeを試すと決めても、最初からメールや顧客台帳をつなぐ必要はありません。匿名データ一件で分岐まで確認した手順から、入力と実行履歴を確かめられます。
無料枠を続けるか迷う段階では、FreeとCoreの違いで実行間隔やログの条件を比較してください。
1. Googleの中で終わるなら、まずGASでよい
GASは、スプレッドシート、Gmail、Googleドライブ、Googleフォームなどをコードから操作できます。たとえば、フォームの回答をシートへ記録する、請求期限が近い行を見つける、確認メールの下書きを作るといった処理です。
私が作った請求管理も、入力、請求、入金、記帳の状態をシートで持つ形でした。データが最初からGoogleスプレッドシートにあり、出力先も同じ環境なら、別サービスを間に入れないほうが構成を理解しやすくなります。
ただし、GASにも実行時間や各サービスの利用量に上限があります。上限はアカウントの種類や機能で異なり、変更されることもあります。Google公式の割り当て表を確認し、処理件数が増えたときに途中で止まらないかを見る必要があります。
コードを書ける人がいない場合も注意が必要です。作った本人しか直せないGASは、動いている間は便利でも、列を追加しただけで止まったときに業務全体が詰まります。
2. Google以外へ広がったら、接続部分を分ける
このサイトの運用では、原稿ファイル、静的サイト、XServer、Search Console、GA4、A8.netを扱っています。全部を一つの仕組みから直接操作できるようにすると、認証と失敗時の復旧が複雑になります。
Makeの公式料金ページでは、3,000以上のアプリとの連携を案内しています。シナリオと呼ばれる処理の流れへ、きっかけと各サービスの操作をモジュールとして並べる形です。
たとえば、問い合わせフォームの受付をきっかけに、顧客一覧へ追加し、担当者へ通知し、返信の下書きを作る。このように複数サービスをまたぐほど、接続部分を画面で追える利点が出てきます。
ただ、連携先が多いことと、自分の業務に必要な操作が揃っていることは別です。導入前にはサービス名だけでなく、読み取り、検索、作成、更新のうち、必要な操作が使えるかまで確認します。
3. 月額料金より先に、1回の処理で使うcreditsを数える
Makeはcreditsを利用量の単位にしています。通常のアプリでは、シナリオ内のモジュールが一つの操作を行うと、基本的に1 creditを使います。検索、行の追加、更新、データ変換などが別々の操作なら、その分だけ増えます。
2026年9月15日に公式料金ページを確認した時点では、Freeプランは期間制限なしで月1,000 creditsです。定期実行の最短間隔は15分。有料プランは実行間隔、アクティブなシナリオ数、ログ、APIなどの範囲が広がります。
ただし、Webhookなどの即時トリガーは別です。公式ヘルプでは、Webhookは通常、データの到着をきっかけに実行すると説明されています。Webhookも定期処理に設定できるため、シナリオ画面で即時実行か定期実行かを確かめてください。今回試したのは手動実行だけで、即時実行での継続運用は試していません。
ここで「月1,000回動く」と考えるとずれます。一つの受付処理が、検索、追加、通知の3モジュールなら、1件で少なくとも複数creditsを使います。さらに、一定間隔で新着を確認する処理は、対象がない回にも検索が走ることがあります。
私なら、先に紙へ次の式を書きます。
1件で動くモジュール数 × 1か月の件数 × 再実行や確認の回数
今回のテストでは、Custom webhookからcategory=invoiceのデータを受け、Routerを通して組み込みToolsで変数を設定しました。手動実行1回は2 credits、2 operationsで、履歴にはSuccess、1秒未満、データ転送量129.0 Bと表示されました。Routerで経路を分けても、実際に動くモジュール数を数えなければ利用量は見積もれないと確認できました。
AI機能は、Make側のAI提供方式か、自分で接続した外部AIかによってcreditsと外部サービスの料金が変わります。AIを含む処理は、MakeのcreditsとAI提供元の利用料を分けて見ます。
4. エラーを直す人が流れを追えるか
自動化は、正常に動く日より、止まった日に差が出ます。
GASなら、ログとコードを読んで原因を直します。処理を細かく制御できる反面、コードを読めない人には引き継ぎにくくなります。
Makeの実行履歴では、開始日時、手動実行かどうか、成否、所要時間、credits、operations、データ転送量を一覧で確認できました。シナリオ画面でも、今回通った請求書経路と実行されなかったFallback経路を見分けられました。どのモジュールまで進んだかを同じ画面で追えることは確認できましたが、長期運用時の探しやすさまでは評価していません。
ただし、画面で見えるから簡単とは限りません。入力データの形が変わった、接続先の権限が切れた、同じ処理が二重に走ったという問題は残ります。
このサイトでは、公開前にバックアップを作り、配信後にファイルを照合し、失敗したら直前版へ戻すようにしています。どの自動化サービスを使っても、エラー時に止める条件と、二重実行を防ぐ印を先に決めておく必要があります。
5. 認証情報と人の確認を外さない
自動化したい仕事ほど、顧客情報、メール、ファイル、支払い、公開操作へ近づきます。接続できるからといって、すべてを一つのシナリオへ許可するのは危険です。
私は、文章の下書き、リンク検査、配信ファイル作成は自動化し、契約、支払い、本人確認、外部フォームの最終送信は人の確認に残しています。削除や復元のように影響が大きい操作も、通常の更新とは分けます。
Makeを試す場合も、最初はテスト用データと読み取りから始めます。接続するアカウントは必要最小限にし、本番データの削除や送信を含む処理は、正常系だけでなく失敗時の動きまで確認してから有効にします。
GASでも同じです。コードにパスワードやAPIキーを直接書かず、誰がどの権限で実行するかを決めます。ツール選びより、この境界のほうが事故を防ぎます。
Makeを自分のデータで試す
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私ならこう分ける
現在の業務を三つに分けると判断しやすくなります。
GASのままにする
- Googleスプレッドシート内の集計やチェック
- Gmailの下書き作成
- Googleフォームから同じシートへの記録
- コードを読める人が保守する小さな処理
Makeを無料範囲で試す
- Google以外を含む2〜3サービスの連携
- 受付から通知まで、流れを画面で確認したい処理
- 月の件数が少なく、定期実行なら15分間隔でも困らない処理
- 本番送信を含まない読み取り・下書き作成
私が試したのは、外部アプリを接続しない匿名Webhook、Router、組み込みToolsだけです。シナリオは有効化せず、単発実行後もInactiveのままにしました。まず入力データと分岐を確認してから接続先を増やすなら、本番アカウントへ権限を渡す前に構成とcreditsを確かめられます。
まだ自動化しない
- 例外の判断を毎回人が行っている仕事
- 元へ戻せない削除や公開
- 本人確認、契約、決済
- 入力の形が毎回変わり、手順が固まっていない仕事
いちばん簡単なのは、最近一週間で二回以上繰り返した作業を一つ選び、入口、処理、出口を書き出すことです。Googleの中だけで終わるならGAS、外部サービスをまたぐならMakeのFreeプランを候補にします。
まとめ
GASとMakeは、どちらが優れているかではなく、処理がどこをまたぐかで分けるのがよさそうです。
Googleの中で完結し、コードを保守できるならGASは小さく始められます。複数サービス、分岐、担当者との共有が増えるなら、Makeの画面型シナリオを試す意味があります。
今回確認したのは、Freeアカウントの作成、匿名Webhookの受信、Routerの分岐、組み込みToolsの変数設定、実行履歴までです。外部アプリとの連携安定性、長期運用、処理速度、削減時間はまだ評価していません。
まずは一つの作業について、1件で動く操作数と月の件数を数えてみてください。月1,000 creditsの範囲を目安にし、定期実行なら15分間隔で困らないかも確かめます。Webhookを使う場合は、即時実行か定期実行かを見てから、無料範囲で試すか判断してください。
この記事の確認情報
最終確認日:2026年9月25日
確認に使ったもの
- 自作GASで請求・入金・記帳の工程を分けた実装
- hitori-tool.comで制作・検査・配信・計測を分けた自動化運用
- Make Freeで匿名WebhookをRouterへ通した手動実行(2 credits・2 operations)
参照した公式情報
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